環状8号線からガス橋に至る道(通称:ガス橋通り)には高く伸びたケヤキが葉を茂らせ、初夏から夏にかけて暑い日でも爽やかな風が通り過ぎます。
このケヤキは、終戦後から地元のみなさんや企業が植樹したもので、五差路になっているあたりに残っている「植樹記念」の碑には「昭和三十一年」と刻まれています。裏側には個人名とともに「三菱日本重工業」「キヤノン」「北辰電機製作所」「白洋舎」などの名前が連なっており、当時の企業と街の結びつきが感じられます。
緑に囲まれるような景観を与えてくれるケヤキですが。植樹から60年以上が経過し、中には20mを越えるまで大きくなった樹木が目立つようになりました。街路樹は伸ばせる範囲が定められており、大きくなりすぎると強風で倒れやすくなるなど、維持管理が難しくなるというような問題が生じます。そこで高さを大きく下げて樹形を再生し、より安全で適正な維持管理ができるように一部の樹木の剪定作業を行うことになりました。
2023年5月末に剪定が予定されているのは、環状8号線からガス橋通りに入り、五差路までの一部のケヤキが対象になるとのことで、五差路からガス橋までは現状のままです。
剪定直後は太枝だけになり景観が一時的に変化しますが、3〜4年ほどかけて樹高14〜15mに揃えて維持管理していく方針です。ふだん何気に景観を楽しみながら歩いていますが、その維持管理には手間がかかるもの。ガス橋通りのケヤキ並木を後世に伝えていくために必要な作業が少しずつ行われています。
最寄り駅 | 下丸子駅(東急多摩川線) |
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住所 | 東京都大田区下丸子2-8-1(五差路付近の大田下丸子郵便局) |