これが洗足池だ!
花鳥風月に名所旧跡。
見どころだらけの1.2㎞
洗足池という名前は知っていても、その実態はよくわからないという人も多いのでは? 池の周りは約1.2㎞。歴史上の人物も愛した豊かな自然に五感をゆだねながら巡ってみよう。途中には寺社をはじめ名所旧跡が点在し、景勝地としての矜持が感じられる変化に富んだ表情が楽しめるのも洗足池ならでは。何度でも訪れたくなる、心を揺さぶるシーンにきっと出合えるはずだ。
① 千束八幡神社
平安時代に建立され、1000年以上の歴史を誇る。源頼朝が鎌倉に向かう際にここで宿営。「旗揚げ八幡」とも呼ばれる。
② 池月像
源頼朝の愛馬「池月」の銅像。千束八幡神社は、1184(寿永3)年に宇治川の先陣争いで一番乗りを果たした池月の発祥の地とされる。
③ 勝海舟夫妻墓所
1899(明治32)年に没した海舟が妻の民とともに埋葬されている。隣には西郷隆盛を悼んだ「南洲留魂詩碑」も!
④ 御松庵妙福寺
日蓮聖人が身延山から常陸国(茨城県)に向かうすがら、休息で立ち寄り足を洗う際に袈裟を掛けたとされる松(現在は3代目)が境内にある。
自然豊かな環境だから野鳥も多数
人気の高いカワセミは運が良ければ池にダイビングする姿が(左)。キンクロハジロは洗足池に飛来する代表的な冬の水鳥(右)。
⑤ シイノキ(スダジイ)
ドーム型の樹冠が迫力の大木。遠くから見るとまるでブロッコリーのよう(常緑高木)。
⑥ 洗足池ボートハウス
この池で見られる自然や野鳥などの写真展も開催。
⑦ ボート乗り場
洗足池ボートハウスの建物奥には手漕ぎのボートと足漕ぎのサイクルボートがずらり。スワンボート(サイクル)はやっぱり人気。
⑧ 池月橋
三連の太鼓橋が趣たっぷり。
⑨ メタセコイア
1941年に日本で化石が発見されたが、のちに中国で現存が確認。「生きている化石」と話題に(落葉高木)。
江戸時代に
タイムスリップ!
歌川広重の描いた「名所江戸百景 千束の池袈裟懸松」。日蓮聖人が袈裟を懸けたという松を、当時の人はどんな思いで見つめたのだろう。それにしても、かつてははるばる山を越えて訪れた景勝地に、今は電車で気軽に行けるんだからいい時代!