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おーたふる 大田区商店街ナビ|国際都市大田区の魅力的な商店街

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特集 / Feature

大田区のさまざまな魅力を発信

2021.02.04

渋沢栄一ゆかりの地。本格志向の店が集まる田園調布。その魅力を街で働く人に聞きました

緑豊かで、美しく設計された街並みが印象的な田園調布。その成り立ちをさかのぼっていくと、“日本資本主義の父”とよばれた実業家・渋沢栄一氏にたどり着きます。

今から約100年前の大正時代。当時は農村だったこのエリアで、渋沢栄一氏を中心とした新しいまちづくりが始まりました。目指したのは、自然と都市の長所を併せ持った理想的な街「田園都市」。主に住宅地として開発された駅の西側では、パリの街を参考にした放射状の街路がつくられ、街路樹や邸宅の生け垣・庭園なども含めて街全体がひとつの公園のように整えられるなど、その頃の日本には前例のなかった都市計画が実現されていきました。

田園調布の住宅街には今もなお、自然と調和した秩序ある景観が保たれており、まちづくりの理念が脈々と受け継がれていることを感じ取れます。

放射状街路のイチョウ並木は、田園調布を象徴する風景

一方、駅の東側は主に商店街として発展を遂げてきました。通りを歩いてみると、代々地元の人に愛されてきた老舗の銘店から、思わず立ち寄ってみたくなるおしゃれな新店舗まで、“田園調布らしさ”を大切にする本格志向のお店に出会えます。

今回は、偉大な実業家をルーツに持つこの街で事業を営む方々にスポットをあて、お店を開いた経緯や街への思い、これから田園調布で開業してみたい人へ向けたメッセージなどを語っていただきました。 働く人の声から、“イメージ”だけではない田園調布の魅力を知ってみませんか?

料理教室の先生から和食屋さんへ転身。土鍋ご飯とお椀の店『お茶碗』

店主の廣本麻里さん。料理は全て一人で作り、納得のいく味を提供している

――お店を開いた経緯を教えてください。

廣本さん: 『お茶碗』は2020年12月にオープンしたお店です。もともとは、自宅で料理教室を開いていたのですが、コロナ禍で生徒さんたちを家に呼ぶのが難しくなってしまって。どこか別の所で教室を、と物件を探し始めた時にこの店舗の場所が空くことを知り、居抜きで借りられることもあって開業に至りました。

以前から「いつかは一汁三菜のお店をやってみたい」という気持ちがあったのと、お店を開くなら家から近い場所がいいと考えていたこともあり、街の良さをよく知っている地元の田園調布という場所がピッタリだったんです。いずれはここで料理教室を始めることも想定しています。

コロナ禍でのオープンには不安もありましたが、感染防止対策をしっかり行った上で、あとは自分のペースでできることをやっていけたらと。今はランチタイムとティータイムのみ営業していて、料理は教室で教えていた時に考案した一汁三菜のメニューを中心にお出ししています。

ありがたいことにオープン当初からランチは連日完売となり、リピーターになってくださるお客さまもいらっしゃいます。こんなに小さなお店でも「美味しかった」と喜んでくださる方がたくさんいるんだと思うと、本当に勇気づけられますね。

田園調布のお客さまは本格志向でいろいろなお店の味をご存知な分、値段が味に見合っているかなどもシビアに判断されると思うので、今後も対価に見合ったご満足いただける料理を提供していきたいです。

土鍋ご飯・お椀・メイン料理とおばんざい(5~6種類)がセットになった一汁三菜ランチ

――田園調布はどんな街ですか?

廣本さん: 私は子どもの頃に田園調布に住んでいて、少し離れていた時期もありましたが、結婚を機にまた戻ってきたので、住民として長くこの街を見ています。昔からずっと変わらない落ち着いた雰囲気が好きですね。ボランティアで駅前の掃除をすることもあるのですが、タバコの吸い殻などは一切見当たらなくて、ゴミもほとんど落ちていません。皆さんがモラルを持って、街を大切にされているのがよく分かります。

田園調布はお高くとまっている、なんていうイメージを持たれることもありますが、住んでいる人たちにとってここは生活をする場所ですから、堅実に日々の暮らしを大事にされている方が多い印象です。

お店を出すにあたっても街自体をよく知っているため、「商店街に馴染めないのではないか」というような心配はありませんでした。まだスタートしたばかりなので分からないことも多いですが、両隣のお店の方や、商店街の会長さん・副会長さんにはいろいろとサポートしていただいています。

田園調布はビルの中にいくつもお店が入っている、といった場所ではないので、商店街の人たち皆さんの顔が分かるという安心感がありますね。

――田園調布で開業したい人へ向けたメッセージをお願いします。

廣本さん: 「自分がこの街に住んでいたら、身近にこういうお店があってほしい」というものを探してみると良いのではないでしょうか。私自身、駅の近くでゆっくりランチのできる所がもっとあったらいいのに、と思っていたことが、今の自分のお店につながっています。お店のバリエーションが増えていくことで、街全体もより活気づいていくと良いですよね。

商店街名: 田園調布商店街振興組合
店名:お茶碗
住所:東京都大田区田園調布2-50-10
営業時間:11:30~14:30(ランチ)、14:30~16:30(ティータイム)
※緊急事態宣言期間中は営業時間に変動あり
定休日:火曜、第2・4水曜
お問い合わせ:03-5755-5788

きもののことなら何でもお任せ。頼りになる呉服店『田園調布 秀や』

女将の狩谷秀子さんと息子の狩谷英二郎さん。親子で店を盛り立てている

――お店の紹介とお二人の「こだわり」について聞かせてください。

女将さん: 『秀や』では、きものや帯・小物の販売から、着付け、撮影、きもののお手入れ・お直しまで、お客さまの“きものライフ”をトータルにサポートしています。古典の要素や考え方を大切にしながらも、時代に合ったモダンさをプラスして、シンプル・シック・エレガンスを意識した「秀や好み」のコーディネートをご提案しています。

私が心掛けているのは、“店主”ではなく“お友だち”のような感覚でお客さまに寄り添い、お一人おひとりに喜んでいただくこと。隣に座って「これどうかしらね?」「こちらの方がお似合いじゃないかしら?」といったおしゃべりをしながら、その方のイメージに合ったものをお見立てしていきます。せっかくお知り合いになれたのだから、何でもご相談いただいて、とことん面倒を見たい。そんな思いがあるんです。

英二郎さん: 呉服には底知れない奥深さがありますが、私はひとめ見た時の「好き・嫌い」といった“感覚”を大切にしたいと思っています。きものなら、普段洋服では選ばない色も着られますし、それがお似合いになったりもする。小物ひとつで雰囲気もガラッと変わります。難しいことは抜きにして、「きものを着るとウキウキする」といった気分を入り口に、きものの世界を楽しんでいただきたいですね。

地元の方はもちろん、今では雑誌などの影響で、遠方から足を運んでくださるお客さまも増えました。「秀やらしさが好き」「きものはオール秀や」なんて言っていただけると本当に嬉しくなります。

「譲り受けたきものの扱い方が分からない」と相談に来るお客さまも多いそう

――お店を開いた経緯と田園調布の街について教えてください。

女将さん: 『秀や』は、ずっと専業主婦だった私が「きもののお店をやってみよう」という思いだけで、2009年にオープンしたお店です。店舗の場所はもともと家から近いところで探していて、田園調布に決める前には、尾山台・自由が丘など周りの街もいくつか見て回っていました。でも条件が合わなかったり、ご縁がなかったり・・・。そんな中、田園調布に来てこの場所を見た時、直感で「ここしかない!」と気に入り即決。店舗を借りる話もトントン拍子で進んでいきました。

こんな風に、特別な出店戦略などは考えずに始まったお店が10年以上も続けて来られたのは、地域の皆さんに応援していただいたおかげです。ご近所の方が「あそこのお店に面白い女将がいるよ」なんて口コミを広げてくれたり、それこそ、晩御飯のおかずを届けてくれたり(笑)。田園調布というと「ちょっと気取っている」とか、「近寄りがたい」といった先入観を持たれがちですが、実際はとても人が温かい街なんですよ。

商店街も地域密着型で、まちづくりや「いかに商店街を盛り上げるか」に力を入れています。駅前をライトアップしたり、街路灯を独自にデザインしたり、花壇の植え替えをしてみたり。街へ来る人に満足していただきたい、というホスピタリティを持っています。

英二郎さん: 「ここにしかないお店」がある、というのが田園調布の面白さでしょうか。お客さまが良い物や本物を知っていらっしゃるからこそ、ごまかしが利かない。だからお店側も、上質さやセンスの良さといった本質的な部分を大切にしているのだと思います。

地域には“応援心”を持っている方が多いので、こちらが一生懸命やっているとすごく力になってくださる。皆さんも、地元に良いお店が定着することを求めているのだと感じます。

――田園調布で開業したい人へ向けたメッセージをお願いします。

女将さん: 田園調布は店舗がひしめき合っているという状態ではない分、新しいお店ができるとすごく目立つし、注目もされます。地域の皆さんも新しい風を待っていると思いますよ。

商店街名: 田園調布商店街振興組合
店名:田園調布 秀や
住所:東京都大田区田園調布2-48-12
営業時間:10:00~17:00
※緊急事態宣言期間中は営業時間に変動あり
定休日:月曜・火曜
お問い合わせ:03-6303-1050
HP:http://www.hideya.co.jp/
Instagram:@dencho_hideya

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商店街名 田園調布商店街振興組合
住所 大田区田園調布2-50-2
Web https://twitter.com/denenchofu_ss

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