幕末小旅行

洗足池

洗足池

勝海舟が愛した風景 勝海舟

歌川広重の「名所江戸百景」にも描かれるほど、古くから景勝地として親しまれた洗足池。慶応4年(1868年)、徳川慶喜から旧幕府の武器・軍艦引き渡しに関する新政府軍との談判を命じられた勝海舟は、中原街道経由で池上本門寺に向かう途中で、この池のそばを通ったと伝わっています。後年の明治24年(1891年)、海舟はこの地に別荘「洗足軒」を構え、旧幕臣ら旧知の面々と文芸活動を通じて交流を深めました。

この地に魅せられた勝海舟は、後年土地を購入し、別荘「洗足軒」を構えました。

洗足軒
勝海舟夫婦の墓
勝海舟の墓

洗足池を愛し、ほれ込んだ勝海舟。生前からの希望によって、今も池のほとりに眠っています。妻である民子の墓は、のちに青山墓地から移設されました。

西郷隆盛留魂詩碑
西郷隆盛留魂詩碑

西郷隆盛の死後、その死を悼んだ勝海舟が自費で建立した碑。表に西郷隆盛が沖永良部島に流された時に詠んだ漢詩が、裏に海舟の漢詩が刻まれています。

住所 大田区南千束2-14-5(洗足池公園)
お問い合わせ 03-3720-4441(ボートハウス 洗足風致協会)
ボートハウス営業時間 8:30~17:00
最寄駅 東急池上線洗足池駅徒歩2分
※スタンプはボートハウスにあります。

池上本門寺

池上本門寺

歴史の舞台となった霊跡 西郷隆盛

日蓮宗の大本山である池上本門寺は、開祖・日蓮聖人の入滅の地。徳川秀忠が建立した関東最古の五重塔や、加藤清正が寄進した石段など、歴史上の人物にゆかりが深く、幕末には江戸城攻撃のため、西郷隆盛率いる新政府軍の本陣が置かれていたことで知られています。敷地内の松濤園は、茶人・作庭家として知られる小堀遠州作といわれています。約4000坪の美しい庭園で、勝海舟と西郷隆盛の会見の碑があります。

池上本門寺

幕末、新政府軍が本陣を置いた池上本門寺。西郷隆盛は総門近くの理境院を宿舎にあてたと伝わっています。

松涛園と会見の碑
松涛園
会見の碑

園内にはかつて四阿(あずまや)があり、江戸無血開城にむけて勝海舟と西郷隆盛の会見が行われたとも伝わります。四阿(あずまや)の跡地に西郷隆盛の甥、従徳の筆による碑が建っています。
※一般公開はGW期間のみ

住所 大田区池上1-1-1
お問い合わせ 03-3752-2331 参拝自由
最寄駅 東急池上線池上駅徒歩10分
※スタンプは総合案内所にあります。

大田区立郷土博物館

郷土資料館

大田区を中心とした考古、歴史、民俗資料などの文化遺産を保管、展示しています。3階の勝海舟コーナーでは、大田区初公開を含む関係資料を展示し、海舟と洗足池とのつながりや、洗足池周辺の海舟ゆかりの文化財を地域の歴史とともに紹介します。

住所 大田区南馬込5-11-13
お問い合わせ 03-3777-1070 9:00~17:00
定休日 月休(祝日の場合は開館)、年末年始休 ※10/22〜26は展示替えのため休館
最寄駅 JR大森駅(北口改札山王方面)から東急バス【森02】「万福寺前」下車徒歩2分(都営浅草線西馬込駅徒歩7分)

大田区立山王草堂記念館

山王草堂記念館

日本最初の総合雑誌「国民之友」を創刊した徳富蘇峰。その旧居の一部を保存し、蘇峰の著書や原稿、勝海舟などゆかりのある人々から寄せられた書簡を展示しています。「蘇峰と勝海舟」のコーナーでは、勝海舟筆「老龍庵」ほか、二人とゆかりのある資料も展示されています。

住所 大田区山王1-41-21 蘇峰公園内
お問い合わせ 03-3778-1039 9:00~16:30(入館は16:00まで)
定休日 年末年始(12月29日~1月3日) 臨時休館あり
最寄駅 東急池上線池上駅から東急バス【森06】「馬込銀座」下車徒歩4分(JR大森駅徒歩15分)

明治・幕末こぼれ話

勝海舟の別荘
「洗足軒」

植物の画像

洗足軒にはさまざまな植物が植えられていました。カエデや南天樹が植えられ、これについて勝海舟が詠んだ和歌も残っています。また、『氷川清話』に見える海舟談によれば、ユリや馬鈴薯も栽培されており、万一に備えて貯蔵されていたようです。

尊敬しあう
勝海舟と西郷隆盛

留魂詩碑の画像 西郷の死を悼んだ海舟が
建立した留魂詩碑

「(海舟は)実に驚いた人物で、どれだけ知略があるのか底知れない英雄肌の人物」、「恐ろしい人物、天下の大事を担うのは西郷ではないか」と互いを評し合った二人。海舟は西郷の死後も、遺児の面倒を見るなど親愛の情を示し続けました。